お知らせ

淡水ガメ専門雑誌「御亀楽」の趣旨と経緯

2011年3月、神戸市立須磨海浜水族園により淡水ガメ専門雑誌「亀楽(きらく)」が創刊されました。「亀楽」の目的は、日本各地で断片的に得られる淡水ガメに関する情報を残し集約することにありました。
「亀楽」の創刊当時、日本固有種であるニホンイシガメは環境省や各自治体が作成する多くのレッドリストにおいて情報不足として評価されており、また外来種である北米原産のミシシッピアカミミガメは野外での繁殖の有無や本種による被害状況等の記録に乏しいのが現状でした。このような状況から、ニホンイシガメの保護やミシシッピアカミミガメの駆除といった対策が進んでいるとはとてもいえませんでした。

「亀楽」の創刊から約10年、日本の淡水ガメの置かれた情勢は大きく変化しました。淡水ガメに関心を寄せる市民は劇的に増え、ニホンイシガメの保全や外来種問題に取り組む行政機関や淡水ガメを研究する研究機関も増えてきました。それは1つに水族館という公的な機関が発行してきた「亀楽」が果たした役割は大きかったのではと考えています。しかし、残念ながら、「亀楽」は2021年8月に廃刊するに至ってしまいました。

そこで、日本の淡水ガメの調査研究や保全のさらなる発展、そして普及啓発のためには、基礎情報の蓄積とそれらの永続的な公開と保存は重要であるという「亀楽」の精神を引き継ぎ、新たな淡水ガメ専門雑誌「御亀楽(おきらく)」を発刊するべく、有志による編集委員会を立ち上げました。

編集委員会
谷口真理 加賀山翔一 三根佳奈子 竹田正義 片岡友美 楠田哲士 鈴木大 亀崎直樹